家庭用のエコ設備として知られているエコキュートですが、似たような名前で「エネファーム」というのを聞いたことがある方も多いでしょう。
名前が似ているため、同じ性能や特徴があるもののメーカーで呼び名を変えていると勘違いしている方もいるかもしれませんが、実は異なる商品なのです。
この記事ではエコキュートとエネファームそれぞれの特徴に加えてメリットやデメリットについても解説します。
エコキュートとエネファームにどのような違いがあるのか知りたい人は、ぜひ参考にしてください!
Table of Contents
1.エコキュートの特徴
エコキュートは、ヒートポンプ技術を用いて大気の熱を取り込んでお湯を沸かす仕組みです。
エコキュートの正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」であり、冷媒するためにはフロンでなく二酸化炭素を使うことから環境に優しい機器として知られています。
今までの電気温水器やガス給湯器と比較した場合、給湯コストも1/3~1/4に削減できることから、環境に配慮された給湯器と言われます。
エコキュートの貯湯タンクには、空気中の熱によって暖められたお湯が入っていて、必要な分だけ給湯できる仕組身となっているため、地震や災害の際にも入っているお湯を使えるのが特徴です。
2.エネファームの特徴
エネファームは、プロパンガスや都市ガスの中から水素を取り出して、空気中の酸素と反応させた熱を使って発電し、その熱を使用してお湯を沸かします。
正式名称は、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムです。
名称の中に「電池」という言葉が入っていますが、実際に電池を使う訳ではありません。
エネファームという名前になったきっかけは、「エネルギー」と「ファーム(農場)」を組み合わせたもので、家庭用の燃料電池の認知度を高めるために燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が2008年に統一の名称としました。
自宅でお湯と電気を同時に作る新しいシステムであることを農場に例え、エネファームになりました。
東日本大震災が起こったことをきっかけに、既存の電力に頼りすぎることなく家庭で発電できる仕組みに注目が集まり始めました。
エネファームは、発電時の熱を使用してお湯を温めることによって、無駄なエネルギーを消費することがないため、省エネ効果が期待できます。
3.エコキュートのメリットとデメリット
エコキュートは、地球に影響を与えるフロンガスを使用しておらず、省エネだけでなく環境に優しい給湯器です。
そんなエコキュートですが、メリットだけでなくデメリットに感じる部分もあります。
ここでは、メリットとデメリットについて解説していきます。
【メリット】
自然エネルギーで光熱費削減
エコキュートは、基本的に夜間電力を使ってお湯を作ります。
さらに、お湯を作る際のエネルギーは空気中の熱を圧縮して利用しているので、プロパンガスと比較しても光熱費が大幅に抑えられるでしょう。
環境にやさしい
これまでの給湯器と比べて、エコキュートはエネルギーの消費量が少なくなっており、屋外の空気の熱を使うので、最低限の電力でお湯を沸かすことができます。
大気中の熱を利用すれば、地球温暖化にも貢献できる仕組みです。
電気は主に夜間電力を使用するので、電気代も抑えられます。
災害時にもお湯を出せる
エコキュートは、災害などが起こった際に水道が止まったとしても、貯湯タンク内からお湯を出すことができます。
なぜなら、お湯を使用する時には電力を必要としないので、停電していたとしても、貯湯タンク内のお湯は温かいまま取り出すことができます。
電気が止まった直後であるならば、貯湯タンク内のお湯は90℃近い高温になっているので、水で薄めて温度を調節すると使いやすくなります。
エコキュートのタンクは370Lと460Lがありますが、370Lでも最大ポリタンク18個分のお湯を溜められるので、災害用の水を改めて用意する必要がありません。
低騒音設計で使いやすい
エコキュートは基本的に夜間電力を使うため、稼働時間が夜になることで騒音が心配という方もいるでしょう。
しかし、近年のエコキュートのほとんどは、低騒音設計になっているので、設置場所にさえ気を付ければ、運転音が特別気になるという事はないでしょう。
火災リスクを減らせる
エコキュートはガス給湯器と比較した場合、火災リスクを減らすことができます。
ガス給湯器の場合、災害でガス漏れが起こった場合は何かしらの拍子に火災事故が起こる可能性があって大変危険です。
その点、エコキュートは電気を使っているので火災リスク少なく、ガス漏れによる一酸化中毒の危険性も少なくて安全です。
補助金が受けられる
エコキュートは、補助対象期間中に新築住宅もしくは既存住宅の所有者が、この事業の登録事業者となる給湯省エネ事業者と契約して、一定の性能を満たした高効率給湯器を導入した場合に補助金が受け取れます。
どうしても初期費用が高額になりがちですが、補助金制度を活用することでお手軽にエコキュートを取り入れられるでしょう。
【デメリット】
貯湯タンク内のお湯が飲めない
エコキュートにした場合、使うお湯は全て貯湯タンク内に一度貯められます。
そこから使うお湯を出していくのですが、タンク内に不純物が混ざっている可能性もあるので飲み水にすることができません。
特にエコキュートを長年使用している場合、水垢などの汚れに加えて水道水に含まれている不純物がタンク内で沈殿している可能性も考えられます。
メーカー側も、貯湯タンク内の水やお湯を飲料用に推奨していないので、いざというときの飲料用は別に用意しておくと良いでしょう。
電気代が高くなる可能性がある
エコキュートを使用する際には、夜間の電力が安くなるプランに切り替えることが多いです。
その場合、夜だけ使用していれば電気代も節約できますが、昼間にも一定の電力を利用する場合、以前よりも電気代が高くなりやすいです。
もし、昼間の電気代が気になる場合は、太陽光発電システムなどを取り入れて、自家消費すると電気代も抑えられるでしょう。
お湯切れになることがある
エコキュートは、普段以上にお湯を使う回数が増えてしまうと、お湯が切れてしまう可能性が高く、特に来客があった場合などは、お湯切れになりやすいので注意しましょう。
もし、貯湯タンクにお湯が無くなった場合は新たに沸かさなければなりません。
40~60Lのお湯を作るのに約1時間程度かかり、その時間はお湯が使えなくなるので、お風呂や洗濯などで不便なケースも少なくありません。
使用する湯量が増えることを早めに把握しておけばお湯切れ避けられますが、急にお湯が使えなくなってしまうと非常に不便ですので、注意が必要です。
設置スペースが必要
エコキュートは、貯湯タンクを室外に設置するため、ある程度のスペースが必要です。
工事を始めようとしてから、設置するためのスペースが不十分だと急遽工事が中止になってしまう恐れがありますので、事前に調査が必要です。
設置スペースがない場合は、事前にスペースを作っておいてサイズの確認も同時に行いましょう。
水圧が弱い
エコキュートの大きなデメリットは、水圧が弱くなってしまうことです。
エコキュートは減圧弁で水圧を下げているため、ガス給湯器に比べて半分以下の水圧になってしまいます。
水圧が不安な場合は高圧のエコキュートならガス給湯器とほとんど変わらずに利用することができますので、水圧が弱いことが不便だと感じる方は、そのような商品を検討しましょう。
導入費用が高額
ガス給湯器と比べると、エコキュートは導入費用が高額で、導入費用は工事費込みで30万円~80万円程度ですが、導入費用を電気代で節約することもできます。
ランニングコストを考慮すれば、今までの給湯器からエコキュートに交換したことで、大幅な光熱費が削減できるでしょう。
4.エネファームのメリットとデメリット
エネファームは、プロパンガスや都市ガスから水素を取り出して、空気中の酸素と反応させた際に発生するエネルギーを使ってお湯を沸かす仕組みの機器です。
そんなエネファームのメリットやデメリットについて紹介します。
【メリット】
エコな燃料電池を使っている
エネファームは燃料電池と呼ばれる、酸素(O2)と水素(H2)の電気化学的反応で継続的に電気を取り出すことができる発電装置を使用しています。
この化学反応に伴うエネルギーを電気エネルギーに直接変えることで、発電の時のエネルギー効率が高くなるだけでなく、老廃物を排出することなくクリーンな電気エネルギーが生まれます。
次世代の発電装置としても期待されていて、エコな環境を目指す今にはピッタリでしょう。
光熱費が節約できてロスがない
自家発電できるものの代表例と言えば、太陽光発電機ですが、こちらの危機の場合は、太陽が出ていない時は電力を溜めることができません。
しかし、エネファームなら家庭の使用する電力に合わせて安定して発電してくれるので、電力量を抑えることができます。
また、火力発電所などで生成された電気は、各家庭に運ばれる間に送電ロスを起こしますが、エネファームはその場で電気を作って使用するのでロスが起きにくく、発生熱も活用します。
電気と熱を合わせたエネルギー利用率は約90%に達することが期待されているので結果的に電気代の節約が可能です。
災害時の備えも可能
エネファームなら、災害時や停電が起こった場合でもタンク内に入っているお湯もしくは水を取り出すことができます。
また、電気に関しても専用コンセントから利用できるので、電力もお湯も同時に使えるという点がメリットです。
停電でも電気が利用できる
停電が起こった場合、エネファームなら停電時の専用コンセントから電気が使用でき、その電力は400w~700w程度なので、家電の使用に加えてスマホなどの充電も可能です。
停電は災害以外にも事故や天候悪化で起こりやすく、場合によっては数日間電気が使えないというケースも少なくありません。
そこで、エネファームなら停電が続いた場合でも、500wの機種で最長8日間の電気利用ができ、キッチンでお湯を使ったり、入浴したりすることもできます。
CO2の大幅削減ができる
エネファームは、発電する際にCO2の排出をしないため、環境に優しいと言われています。
エネファームを利用した場合の試算では、1年間でCO2が約1.4~1.5t削減できると計算されており、ハイブリットカー2台分の削減量に相当するものです。
【デメリット】
本体価格が高額
エネファームは、電気を発電してくれるので、高い利便性を持ち合わせていますが、機能に伴って金額はどうしても高くなりやすいです。
エネファームでは、本体価格が100万円~200万円程度で、さらに設置費用として30万円~80万円はかかります。
発電、給湯、蓄電という機能を備えたことによって、多くの費用が出てしまい、さらに設置には工事や今後のメンテナンス、故障にも対応しなければなりません。
そのため、本体価格が高額であったとしても、維持費もかかることを覚えていきましょう。
電気を充電できない
せっかく発電して余っているなら、太陽光発電システムのように、電力を販売できるのではと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、エネファームには基本的に充電する能力はないので、電気を作ってもそれを溜めて販売することができません。
5.まとめ
この記事ではエコキュートとエネファームの違いやメリット、デメリットについて解説させていただきました。
エコキュートとエネファームは名前が似ているものの、自然冷媒ヒートポンプ給湯機と家庭用燃料電池コージェネレーションシステムと、お湯を沸かす仕組みは全く異なります。
どちらの機器でも、魅力的な部分や懸念すべき部分がありますので、ポイントを比較しながらご自分に合ったものを選びましょう。
また、これらは導入する際に高額な費用がかかりますが、補助金を利用する事も出来ますので、対象になるのか否かを工事を依頼する業者に確認することをオススメします!
チカラもち群馬店では、最短でお問い合わせをいただいた当日に調査にお伺いさせていただき、即日でお見積もりを案内させていただくことも可能です!
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