日常の生活で欠かせない給湯器は、これまでガスを使う仕様のものが一般的でした。
しかし、最近では電気の力を使って沸かす電気温水器に加えて、空気中の熱を利用するエコキュートなどが多く普及するようになりました。
この記事では、電気温水器とエコキュートの違いや、それぞれのメリット・デメリットを解説しているので、どちらの給湯器にするか悩んでいる方はぜひ参考にしてください!

1.電気温水器とは

電気温水器は、電気ヒーターの熱を使ってタンク内の水を温めてお湯を沸かす仕組みの給湯器です。
一般的な家庭にある保温機能付きの電気ポットと似た仕組みとなります。
これまで、お湯はガス給湯器を使って作られることがほとんどでしたが、オール電化の住宅が増えてきたことをきっかけに電気温水器が普及してきました。
従来のものとは違い、ガスを使うことがないので、安全性の高さも注目されています。

そんな電気温水器は、「貯湯式」と「瞬間式」に分かれています。
貯湯式はタンクの中に水をためてヒーターで沸かしてお湯にするもので、タンクの中にお湯をためているので、災害時などでも利用できるのが特徴です。
一方の瞬間式は、使う時だけ水をお湯に沸かすタイプで、貯湯式のように大量のお湯を作ってためておくことはできないものの、タンクが必要ないので設置スペースを設ける必要もありません。

電気温水器で作られたお湯は、大容量の貯湯タンクに貯められていき、家庭内でお湯を使うお風呂、シャワー、キッチン、洗面台などにタンクから直接給湯されます。
お湯を作る時間は、電気料金が比較的安い夜間などに作るとコストが抑えられるので、夜間にお湯を作ってためておく設定にしておくことがオススメです。
もちろん、お湯を作っている時間は利用できないなどの制限がないので、24時間いつでもお湯を使うことができます。

2.エコキュートとは

エコキュートは、正式名称を「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と言います。
空気中の熱を利用して、ヒートポンプ方式で水をお湯に沸かす給湯器です。
電気温水器やガス給湯器のように、電気やガスを使うことなく空気中の熱の力を利用しているので省エネで効率のよい給湯ができます。
ガスを使うことがないので、火災リスクを減少できるだけでなく、太陽光発電システムを取り入れている住宅では、より省エネ性に優れた生活を送ることができるでしょう。

そんなエコキュートは電気温水器と同じように、「フルオート」「セミオート」「給湯専用」に分かれています。
フルオートは、お風呂のお湯張り、追い炊きなどをリモコンで簡単に操作できる仕組みです。
セミオートは、自動でお風呂のお湯張りはできるものの、お湯を循環させる追い炊き機能がありません。
給湯専用は、蛇口をひねってお風呂にお湯を入れるタイプなので、すべて手動で行う必要があります。

エコキュートは、エアコンの室外機に似たヒートポンプという部分でユニット内の冷媒を温めて熱を作り出し、温まった冷媒を圧縮して90℃にして、貯湯ユニットタンク内の水を温める仕組みとなっています。
少ない電気で効率よくお湯を温められる仕組みに加えて、電気代の安い深夜にお湯をためるので、より光熱費が抑えられます。
電気温水器と同じで、お湯を作っている時間に利用できないなどの制限もないので、いつでもお湯が使えます。

3.電気温水器とエコキュートの違い

この章では、電気温水器とエコキュートには、どのような違いがあるのかを解説させていただきます。

【仕組み】

◎電気温水器
電気温水器のお湯を沸かす仕組みは、電熱ヒーターを使って貯湯タンク内の水を加熱してお湯にして保温します。
家庭で使われている保温機能付き電気ポットと同じ仕組みが用いられています。

◎エコキュート
エコキュートのお湯を沸かす仕組みは、ヒートポンプユニットという部分で大気中の熱を使いながらお湯を沸かします。
空気中の熱を使うので、わずかな電力でも利用することができます。
また、給湯方法は沸かしたお湯を貯湯タンクユニットに貯めて置き、使う時にタンクから配分する仕組みとなっております。

【本体価格】

◎電気温水器
・370L(タンク容量):フルオート・約60万円、給湯専用・40~50万円
・460L(タンク容量):フルオート・約70万円、給湯専用・50~60万円
・550L(タンク容量):フルオート・約80万円、給湯専用・60~70万円

◎エコキュート
・370L(タンク容量):フルオート・90~110万円、給湯専用・約70万円
・460L(タンク容量):フルオート・100~110万円、給湯専用・約80万円
・550L(タンク容量):フルオート・110~120万円、給湯専用・約90万円

【設置場所】

◎電気温水器
電気温水器は、設置場所に基準が設けられており、基準を満たせない場合は、設置することができません。
設置基準が設けられているのは、電気温水器の内部に熱がこもって火災に発展しないようなリスクが考慮されているからです。
基本的には屋外に設置されますが、-10℃以下になる地域では室内に設置することになります。
貯湯タンク本体が置けるスペースがあれば問題ありません。

◎エコキュート
エコキュートは追い炊き機能が付いている場合、浴室との距離は最大15mまで離れてもよいという条件があります。
メーカーごとに細かな決まりがあるものの、基本的には壁から10~20cm開けて設置し、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットがあるので、電気温水器に比べてスペースが必要です。

【電気料金】

◎電気温水器(パナソニック製のエコキュートで比較)
・北海道電力エリア:年間約196,800円
・東北電力エリア:年間約188,400円
・東京電力エナジーパートナーエリア:年間約157,200円
・北陸電力エリア:年間約166,800円
・中部電力エリア:年間約100,800円
・関西電力エリア:年間約87,600円
・中国電力エリア:年間約176,400円
・四国電力エリア:年間約193,200円
・九州電力エリア:年間約85,200円
・沖縄電力エリア:年間約91,200円

◎エコキュート(パナソニック製のエコキュートで比較)
・北海道電力エリア:年間約57,600円
・東北電力エリア:年間約48,000円
・東京電力エナジーパートナーエリア:年間約37,200円
・北陸電力エリア:年間約42,000円
・中部電力エリア:年間約25,200円
・関西電力エリア:年間約20,400円
・中国電力エリア:年間約43,200円
・四国電力エリア:年間約44,400円
・九州電力エリア:年間約20,400円
・沖縄電力エリア:年間約27,600円

【耐用年数】

電気温水器の耐用年数は環境や使用頻度、メンテナンスなどによって変わってきます。

電気温水器のメーカー保証

三菱…2年保証
・ヒーター:3年
・貯湯タンク:5年

コロナ…2年保証
・コンプレッサー:3年
・ヒーター:3年
・貯湯タンク:5年

日立…1年保証
・貯湯タンク:5年

パナソニック…1年保証

タカラスタンダード…1年保証
・貯湯タンク:5年

一方、エコキュートの耐用年数は環境や使用頻度、メンテナンスなどによって変わってきます。
メーカーによって保証期間は異なります。

エコキュートのメーカー保証

三菱
・リモコン:2年
・ヒートポンプ:3年
・貯湯タンク:5年

ダイキン
・リモコン:1年
・ヒートポンプ:3年
・貯湯タンク:5年

パナソニック
・リモコン:1年
・ヒートポンプ:3年
・貯湯タンク:5年

東芝
・リモコン:5年
・ヒートポンプ:5年
・貯湯タンク:5年

日立
・リモコン:1年
・ヒートポンプ:3年
・貯湯タンク:5年

コロナ
・リモコン:2年
・ヒートポンプ:3年
・貯湯タンク:5年

【延長保証制度】

電気温水器、エコキュートともに各メーカー独自の延長保証制度を利用すると、最大10年間期限を延長できます。
延長保証制度の内容は以下のとおりです。

延長保証制度

三菱…三菱のスマート電化延長保証制度(5年・8年・10年)
パナソニック…長期安心修理サービス(5年・8年・10年)
ダイキン…ダイキン延長保証サービス(10年)
東芝…最長10年延長保証サービス(8年・10年)
日立…日立TWGオール電化延長保証(7年・10年)
コロナ…コロナ延長保証システム(5年・8年・10年)

チカラもち群馬店の延長保証について詳しくはコチラ

【静音性】

◎電気温水器
電気温水器は、稼働音があまりしないことが特徴で、夜間に運転することが多い場合でも、うるさいと感じることはないでしょう。

◎エコキュート
エコキュートは、電気温水器に比べて音が気になる場合があります。
決してうるさい音ではないものの、40㏈~50㏈程度とされていて、閑静な住宅街や家庭用エアコンの室外機程度の大きさとされています。
音が気になるという場合には防音対策や設置場所に注意することで、お悩みを解決することができるでしょう。

エコキュートの騒音問題について詳しく解説している記事はコチラ

【補助金】

◎電気温水器
電気温水器は、補助金の対象外になっていることが多いものです。
補助金の使用を検討している場合には、専門の業者に問い合わせて、事前に確認しておくとよいでしょう。

◎エコキュート
エコキュートは、自治体や国の補助金対象になっている製品が多くあります。
2024年度は「給湯省エネ2024事業」として、性能要件を満たしたエコキュートの設置で補助金が受けられます。※現在(2024年12月時点)は受付を終了しております。
2030年度におけるエネルギー需給の見通しの達成を目的にしたもので、戸建てや共同住宅などに限定せず、設置した住宅を対象にしています。
新築住宅、既存住宅でも対象となり、エコキュートの場合は最大で1台につき8万円程度の補助が受けられます。

4.電気温水器とエコキュートのメリットとデメリット

続いて、電気温水器とエコキュートのそれぞれの、メリット・デメリットを紹介します。

【電気温水器のメリット】

設置スペースが小さくても使える

電気温水器には、エコキュートのようなヒートポンプと貯湯タンクがなく、機器1つ分のスペースでも十分設置できるので、隣家とのスペースが狭い場合でも設置しやすいでしょう。

安全性が高い

電気温水器は、電気の力でお湯を沸かす仕組みとなっております。
ガス給湯器のように火を使わないので、火災に伴うリスクを抑えることができ、なおかつ不完全燃焼も起こらず、一酸化炭素中毒などのリスクもありません。
特に高齢者がいる住宅では、安全性の高い給湯器として利用しやすいでしょう。

動作音が小さい

電気温水器は、動作音がとても静かです。
独特なモーター音などもしないので、機械音や音が苦手な方でも気になりにくいでしょう。
さらに、静音設計がされている電気温水器なら、より運転音が気になりにくいため、夜間でも使いやすいでしょう。

コストパフォーマンスに優れている

電気温水器は、コストパフォーマンスが非常に優れているといわれています。
これまで主流だったガス給湯器は、日本ガス石油機器工業会によって定められている「設計上の標準使用期間」においても安全に使用できる期間を10年とされていました。
しかし、電気温水器の場合はメーカーから明確な寿命は明記されていないものの、15年以上も使用し続けることができるケースも珍しくありません。
また、以前に比べて電気代をお得に利用できるプランも増えてきたため、ランニングコストという面でも優れているといえるでしょう。
さらに、貯湯式なら夜間電力を使えば、よりお得になることからコスパに優れています。

災害時に水が使える

貯湯式の電気温水器であれば、災害時に断水が起こった場合でもタンク内の水を利用できます。
タンクの容量によって使える水の量は変わってきますが、水が出なくても災害時に慌てることはありません。

【電気温水器のデメリット】

ランニングコストがかかる

電気温水器は、エコキュートに比べて導入費用を抑えることができますが、毎月のランニングコストは高くなりがちです。
お湯の使い方によって変わってきますが、全体的に安いとは言い難いでしょう。

湯切れを起こす可能性がある

電気温水器には、貯湯式と瞬間式があり、貯湯式は、タンク内に貯めた水を給湯するものなので連続使用が続いたり、一気にお湯を使う場面になったりするとお湯切れを起こす可能性があります。
対して、瞬間式は、使用する時にお湯を温めて使うので大量に使うシーンでは、お湯が足りないこともあるでしょう。

【エコキュートのメリット】

電気代が安い

エコキュートは、電気代が安い夜間電力を使って一気にお湯を作り、自然冷媒も可能なので、電気温水器に比べて電気代が大幅に安く済むでしょう。
地域や環境によっても変わってきますが、電気温水器に比べてエコキュートの方は電気代が1/3程度になるといわれています。

環境に優しい

電気やガス給湯器は、燃料を燃やすことから二酸化炭素の排出が起こってしまいます。
しかし、エコキュートなら空気中の熱を利用していることから、給湯に必要な電気量を最低限に抑えることができ、お湯を沸かす時も二酸化炭素の排出がありません。

非常用の水が確保できる

エコキュートは、貯湯式なので災害時にはタンク内の水を利用することができ、簡単な操作で、タンク内から必要な分だけ水を取り出せます。
容量はタンクの大きさによって決まりますが、スペースが限られた住宅ではこれだけの水を保管しておく場所が不要なだけでなく、安心感も得られます。
ただし、飲料水としては利用することができないので注意が必要です。

【エコキュートのデメリット】

導入費用が高い

エコキュートは、導入費用が高額になる傾向にあります。
電気温水器やガス給湯器に比べて費用がかかるので、簡単に導入に踏み切れないケースもあるでしょう。
ただし、補助金を使用すれば、コストを抑えて購入することもできますので、補助金についての情報をあらかじめ調べておくことをオススメします。

お湯が不足する可能性がある

エコキュートは、貯湯式なのでお湯の使い方によっては足りなくなる可能性があります。
急にお湯を使う機会が増えたという場合は、お湯切れによって沸かす時間のロスが発生することもあります。

5.まとめ

今回は、電気温水器とエコキュートの違いを紹介してきました。
電気温水器とエコキュートは仕組みの違いだけでなく、それぞれ異なる点があり、メリットやデメリットなども異なります。
環境によって使いやすさも変わってくるので、比較してから検討するのが良いでしょう。

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