給湯器を交換しようとしたときに、井戸水では使用することができないことでお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
井戸水を取水している場合、できるならこの水のままエコキュートにできないか考えるでしょう。
そこで、この記事では井戸水に対応できるエコキュートがあるのか、どのようなエコキュートなのかについて紹介しておりますので、ぜひ参考までにご覧ください!
Table of Contents
1.井戸水はエコキュートが使えないって本当?
井戸水とエコキュートの相性が悪いという話を聞き、「なぜエコキュートにできないのか」「本当に相性が悪いのか」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか?
井戸水は、井戸の先につながっている地下水であり、ナチュラルミネラルウォーターと呼ばれ、自然でろ過された水であり、過剰に殺菌されていない自然な水なので飲料水として使っている家庭は現在もあります。
自然につくられたものなので、井戸の設置場所によって水の成分、味、硬度などが異なります。
水道水のように消毒処理がされていなくとも、水質が保たれていて、さらに深層部の水であればミネラルが豊富で安全性の高い水となるのです。
おいしい水が好きな方にとっては、エコキュートにも水道水よりも井戸水をこのまま使い続けたいと思われる方も多いのではないのでしょうか。
実はこれまで、エコキュートは水道水のみの対応となっていて井戸水は使えませんでした。
しかし、現在は一部のメーカーで井戸水が使用できるエコキュートが販売されています。
なぜ、全てのメーカーで販売しているのではなく一部のメーカーなのかというと、給湯器に井戸水を使用する場合には特別な設備や対応をしなければならないからです。
井戸水を使う場合、水に含まれているマグネシウムやカルシウムが配管内に付着することで固体化してしまい、目詰まりを起こして故障する可能性が高くなっています。
そのため、一般的なエコキュートでは本来の耐用年数を経過する前に故障する可能性が高くなってしまう恐れがあるのです。
2.井戸水で一般的なエコキュートを使った場合はどうなる?
続いて、井戸水を一般的なエコキュートで使ってしまった場合には、どのようなリスクがあるのかを紹介いたします。
ヒーター部分にスケール(水垢)が付いてしまう
井戸水は使用することによって段々とスケールが蓄積していき、その部分から腐食してしまいます。
スケールは腐食性が非常に高いため、ステンレスで覆われたヒーター部分であっても、ゆっくり時間をかけて腐食してしまうので、エコキュートを使い始めてスケールの付着が確認できた場合は早めに対処を行いましょう。
ヒーターの腐食に注意する
上記でも述べましたが、ヒーターの腐食が確認できた時は、注意する必要があります。
エコキュートの配管は、汚れや皮脂などが付きにくい構造となっており、基本的には水道水を使うことを想定しているため、耐腐食性の高いステンレスであれば全く問題ありません。
しかし、スケールが蓄積している場合は時間をじっくりかけて徐々に腐食が広がっていき、特にヒーター内部は簡単にメンテナンスができない部分のため、腐食が進んでから気付くケースも少なくありません。
ヒーター部分の腐食が進み、状態が悪化すると穴が開いて水が漏れてしまいます。
この場合は、配管が腐食している可能性を疑いましょう。
センサーに汚れが付着する
エコキュートには、最新の便利機能や自動機能などが搭載されています。
このような機能を使う場合は、必ずセンサーによって判断されるのですが、水位や水温を図るセンサーなどはデリケートなので、スケールの付着によって反応しにくくなったり、エラー表示によって動きが止まったりしてしまいます。
エラーを起こした場合は、エコキュート自体が停止する可能性が高いため、不便に感じるでしょう。
水漏れの原因になる可能性
井戸水を使う場合、消毒用の減菌装置を付けることがあります。
減菌装置があれば、この機械から塩素を出して井戸水と混ぜていくことで水質が保ちやすくなります。
しかし、この水を消毒用の減菌装置でエコキュート用として使った場合、一般的なエコキュートでは配管部分の溶接などのパッキンが壊れてしまい、結果的に穴が開いて漏れてしまう可能性が高くなります。
貯湯タンクに湯垢がたまる
井戸水は、透き通っているため一見きれいなお水に見えますが、掃除においては厄介に感じることも少なくありません。
水質の特徴は場所によって異なり、なかには水垢や湯垢がたまりやすい井戸水もあるため、定期的に貯湯タンクの掃除をしないと、スケールの蓄積によって故障する可能性が高くなるでしょう。
このような水源であれば、浴槽のほかにもタンクの内部をきれいにしておくと安心です。
3.井戸水対応のエコキュートを使う際に必要な水質検査とは?
井戸水対応のエコキュートを導入する際には水質検査が欠かせません。
ここでは、各メーカーの水質検査の内容や必要性について紹介します。
ダイキン
ダイキンでは、独自の水質判定基準を設けています。
専門の水質調査機関によって検査を行うので、販売店で渡された「地下水利用同意書兼水質検査依頼書」に署名、捺印して検査を行います。
水質検査には費用として16,500円(税込)が必要ですが、適応不可となった場合は検査費用はかかりません。
水質検査の結果は約1週間を目安にしていて、結果によって設置可能かどうか判断されます。
適応可となった場合は、エコキュートを納入後に「地下水利用認定ステッカー」が届くので保管しておきましょう。
パナソニック
パナソニックでは、認定されたものに対して「地下水(井戸水)利用認定書」を発行しています。
パナソニック独自の判断で水質検査が実施されていて、検査については検査機関で行われます。
水質検査は有償で、16,500円(税込)が必要となり、採水キットを販売店から取り寄せてから行います。
キットに同封されている「地下水利用認定規定」の内容に同意して5日以内にパナソニックに到着するように販売店に渡します。
こちらも代金と同様に、エコキュートに使用できない水質だと判明した場合、検査費用は不要です。
適応となった場合は、設置後に販売店に「地下水利用認定書」と「地下水利用認定シール」が送られてくるので保証書と合わせて大切に保管しましょう。
日立
日立のエコキュートを使用する際には、簡易水質チェックが必要です。
この水質チェックでは、井戸水の遊離炭酸と硬度が測定でき、基本的には設置する業者が行い、その結果を判断して設置にとりかかります。
他のメーカーのように、検査結果を待つ時間はないため、使用できる場合にはすぐに取り付けてもらうことができます。
長府製作所
長府製作所では、井戸水対応モデルを井戸水で使用する場合、水質検査が必要です。
長府製作所独自の水質検査になり、基準を満たしている場合には水質検査報告書が渡されます。
この報告書がない場合、水質が原因で起こった故障では保証期間に限らず有料修理となるので注意しましょう。
ただ、井戸水モデルを水道水で利用する場合は、水質検査を行わずに給湯器を設置することができます。
簡易水質セットは2,700円(税込)で、現地で水質を検査して判別します。
【プチコラム1】水質検査の種類
水質検査は、メーカーまたは保健所によって行われることもあります。
メーカーが行う水質検査は、エコキュートと井戸水の関係や相性について調べるものであり、合わない場合はエコキュートが導入できません。
水質が合わない場合は、耐用年数よりも前に故障してしまう可能性が高くなります。
保健所が行う水質検査では、飲用に適しているかどうかを判断するもので、水道法によって検査義務がないものの、井戸水を使用する際には自主的に行うことが勧められます。
【プチコラム2】検査内容と必要性
水質検査の内容としては、井戸水の状態や性質を中心としています。
例えば塩化物イオン、マグネシウム、カルシウムなどの保有量、鉄、化合物の量に加えてpH値なども判断されます。
他にも一般細菌、大腸菌などの菌類がいるかどうかも検査されている可能性がありますが、メーカーでは細かな検査基準を公表していませんが、安全性を確かめるために検査を実施したほうが良いでしょう。
4.井戸水対応のエコキュートはどのメーカーから発売されている?
井戸水対応のエコキュートは、ダイキン、パナソニック、日立、長府製作所から発売されています。
ここでは、ダイキンとパナソニックのエコキュートの特徴を紹介します。
【ダイキン】
ダイキンのエコキュートは、全種類井戸水対応となっています。
一般的に井戸水をエコキュートに使うのは難しいとされていましたが、水質基準をクリアすれば使用できるようになりました。
ヒートポンプ方式なので、空気中の熱を集めて冷媒を運び、圧縮してさらに高温にして、冷媒の熱を水に伝えてお湯を作る仕組みです。
ダイキンでは、家庭で最もエネルギーを消費するのが給湯であることを把握し、空気の熱を使って効率よくお湯を沸かして省エネにできることをエコキュートで実現しているのです。
さらにガス給湯器と比較した場合、給湯光熱費が削減できること、地球温暖化防止のサポートもできることもエコキュートの特徴となります。
ダイキンのエコキュートは、「ダイキン エコキュート」「ダイキン おひさまエコキュート」のタイプがあります。
共通の特徴は「おゆぴかUV」、「ウルトラファインバブル」「アプリ対応」です。
おゆぴかUVは、除菌効果に優れた深紫外線(UVC)LED265nmを採用し、短時間でも除菌可能な仕組みで、特にお風呂の保温中は菌が増殖しがちですが、この紫外線によって菌の増殖を抑制します。
ウルトラファインバブルは、微細な泡によって体の芯まで温めてくれるのが特徴で、温浴効果、美肌効果、洗浄効果が期待でき、肌の角質層にまで水分を浸透させます。
洗浄効果もあるので、残り湯で洗濯もできるのがポイントです。
アプリ対応は、スマホから簡単にお風呂が沸かせる機能で、リモコンとの連動で、お湯張り、保温、追い炊きなどができます。
ダイキン エコキュートの特徴
ダイキンのエコキュートは、夜間電力を使用してお得にお湯を沸かすのが特徴です。
フルオートタイプ、オートタイプ、給湯専用らくタイプがあります。
ダイキン おひさまエコキュートの特徴
ダイキン おひさまエコキュートは、太陽光発電の力を使ってお湯を沸かせるものです。
地球温暖化が進む中で、自宅で作った電気を消費することを目的としています。
太陽光発電を使い、昼間にお湯を沸き上げることで電気代を節約できる仕組みとなっており、売るよりも自家消費の方がお得なだけでなく、放熱ロスも少なくなります。
【パナソニック】
パナソニックのエコキュートは、全種類井戸水対応となっています。
ただし、事前に井戸水の検査が必要であり、水質検査でクリアした場合のみ設置できます。
パナソニックのエコキュートは、太陽光発電の余剰電力を使ってエコキュートが利用でき、多様化する電気料金プランに合わせられるのも特徴です。
通常は、比較的安い夜間電力を使って沸き上げをしていましたが、ソーラーチャージでは夜間と昼に沸き上げを分散してお得になるように工夫されています。
電気料金プランに関しても、リモコンで電力プランを設定し、様々な電気料金プランに対応できるようになっています。
電気使用量のピークを抑えるためにピークセーブを行ったり、ピークシフトをしたりと、細かな電気設定が可能です。
5.まとめ
今回は、井戸水でも使用できるエコキュートについて解説させていだきました。
井戸水には、水道水にない成分が含まれていることから特定の水質検査を受けなければエコキュートが設置できないことが多いです。
水質検査にクリアした場合は無償保証の対象となるので、井戸水でエコキュートの設置を検討している場合は必ず検査を受けることをおススメします。
また、井戸水対応のエコキュートは限られたメーカーのみが取り扱っていますので、希望しているメーカーがその商品を取り扱っているのかを事前に業者さんに確認しましょう。
チカラもち群馬店でも、井戸水対応のエコキュートを取り扱っておりますので、商品をご希望の方はお気軽にお問い合わせくださいませ!最短でお問い合わせをいただいた当日に調査にお伺いさせていただき、即日でお見積もりを案内させていただくことも可能です!
また、工事後の10年保証など、アフターフォーローも充実しておりますので、群馬県でエコキュート交換工事を検討している方は、ぜひチカラもち群馬店にお問い合わせください!